- ピロリ菌について
ヘリコバクター・ピロリ(通称:ピロリ菌)は胃粘膜に住みつく菌です。ピロリ菌に感染した状態で長期間経過すると、慢性胃炎(萎縮性胃炎)、胃・十二指腸潰瘍、胃がんの発症率が増えることが知られています。
その他にも、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)や胃MALTリンパ腫といった血液疾患との関連も報告されています。 - ピロリ菌の感染経路と感染率
ピロリ菌の感染経路いついては明確になっていませんが、元々土壌中に住みつく菌といわれ、上下水道などの衛生環境が悪かった時代の飲水など口から感染すると考えられています。そのため、ピロリ菌の感染率は10~20歳代では20%以下ですが、70歳代以上では50%以上と高くなっています。 - 除菌治療の流れ
ピロリ菌を除菌するためには、まず胃内視鏡検査(胃カメラ)で慢性胃炎(萎縮性胃炎)があることを確認する必要があります。
内視鏡で慢性胃炎が認められた場合は、内視鏡中に採取する組織や、呼気検査、便による検査などでピロリ菌の有無を調べます。 - 除菌治療
現在保険適応になっている除菌治療には一次除菌と二次除菌があります。いずれも複数のお薬をを1日2回1週間内服していただきます。二次除菌まで行うことで、90%以上の方が除菌成功にいたります。
除菌が成功しているかは、除菌終了約2ヵ月後に呼気検査か便による検査で確認します。
二次除菌でも除菌不成功の場合の三次除菌(保険適応外)については、ご相談ください。
*除菌が成功すると胃がんになりにくくはなりますが、胃がんにならない保証はありません!
定期的な内視鏡検査をおすすめいたします。